名画を見てるみたい

ロンドンオリンピンク始まりましたね!

一方、うちでは、絶賛映画祭り開催中です。返しては借り、返しては借り…w

今回は「ドニー・ダーコ」と「僕のエリ200歳の彼女」という映画を借りた。

「ドニー・ダーコ」…知能指数高めなかんじ…ええ、分かりませんでしたとも!以上w


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レビューしたいのはこちら。「ぼくのエリ200歳の少女」

「モールス」の余波が覚めやらぬ今日この頃ですが、こちらが元ネタ。「モールス」はこの映画のリメイクだそうです。
…で、見比べてみました。

見た印象としては…
「モールス」…巧妙なシナリオ。
「ぼくのエリ」…美しい絵。



例によって、ネタバレありです。



あらためて、「モールス」ってアメリカ映画だなって思いました。
さすがは「Yes,No」の国。はっきりと明確でいらっしゃる。すべてが「疎外感」にベクトルが向けられてるし、あのヴァンパイアのいかにもクリーチャーな感じの表現とか、派手なCGアクションなど「ザ・アメリカ」って感じですwとにかく分かりやすい!

あと、あの監督の特徴だと思うけど、クローバーフィールドはその場で起きてるようなライブ感を装いながら、巧妙に細かい伏線が張られていた。モールスも細かく伏線が張られている。そのおかげで場面の移り変わりが流れるようにスムーズでそういう意味ではジェットコースターのようなスルスルとした流れだと言えると思う。


一方で、この「ぼくのエリ」だけど、そういう巧妙さはあんまりないなあ、という印象でした。
モールスと違って、この少年は母親とそんなに悪い関係ではないように思う。それなのになんで中庭に行くんだろう?寒いのに。そんなに居心地の悪い家ではないはずだ。まるでエリと出会うために取って付けたように外に出てるように見える。けっこうそういった「取って付けたような」行動が多かった。理由付けや関係性の説明が不十分な感じ。

こういうことにいちいち理由付けを求めるのは、やっぱアメリカ的なのかなあ…

モールスはそういう理由付けに全く隙がなくて、ほんと巧妙でした。


では、「ぼくのエリ」は良くなかったかというと、全然そんなことはなくて、すごく良かったです!
なんかすげー映画…。

とにかく絵が美しい!マンガでいう「止めの絵」ってやつ?それだけで切り取っても作品として成立するような。
「明確なテーマとそれに沿った絵づくり」というハリウッド的な観点からすると「ムダゴマ」もあるかもしれませんが…。
モールスはムダが無さ過ぎて、止めの絵が少なかったと思う。

スウェーデンの映画だそうですが、やっぱヴァンパイアってヨーロッパの方が似合いますねw
家具とかも絵になる…。
エリ5エリ7エリ25

そして、この少年の狂気はモールスよりずっと奥深くて残酷なものかもしれない。そして国に関係なく普遍的に子供が持ってる残酷さかもしれない。モールスの少年のような「寂しさの裏返し」とかじゃなくて、無邪気な好奇心と隣り合わせのもの。
この少年は殺人事件のスクラップとかしてるけど、ふつうに無邪気にやってんだと思う。

特に印象的だったのは、少年が凍った湖でいじめっこを棒で殴るシーン。
モールスでは「いけないことしちゃった!でも、ちゃんと復讐できた!」って感じの表情をする。ちゃんと良心の呵責があるので、わかりやすい、教育上よろしい感情w
でも「ぼくのエリ」の少年は「絶対的な正義を果たした!」っていうような恍惚な表情をするのだ。罪悪感など微塵もない。あれにはかなり衝撃を受けた。
エリ9←これ。
考えてみると、少年の世界観の中では、いじめっこは「絶対的な悪」であって、彼らをやっつけることは「絶対的な善」なのかもしれない。

すごくあどけないのに、いつもナイフ持ってる、そのギャップがショッキング。むしろ凶暴性とあどけなさが表裏一体という感じ。

正直、うまく理解できたかどうかよくわからない。共感はできないなあ。
なんだか、そこしれない狂気だ。家庭の不和による愛情不足というような、分かりやすい理由がない。理由がないから不気味だし、リアルなのかも。
最後ヴァンパイアがいじめっこを惨殺したときも、少年はくったくのない笑顔をみせる。やっぱり「絶対的な正義の姿」を見たからなんだろうか。
モールスでも、かすかに笑みを浮かべるけど、けっこう笑みを浮かべるまでに間がある。
やっぱ心のどこかで
「とんでもないことになっちゃったなあ、でもまた会えたのはうれしいし、もう後戻りはできないんだよな…」みたいなやりとりがありそうな感じ。
ぼくのエリの方は、「わが人生に一片の悔いなし!」っていう晴れやかな笑顔だw
エリ19「うれしい!」以外の感情はないよね?

ひょっとしたら、「普遍的な子供の持つ残酷さ」なんて生ぬるいものではないのかも。
少年の魂の奥底にある欲求が「残虐性」で、それに忠実に生きることを決心する物語なのかも。
普通の人には理解できない、善悪を超えた少年にとってのもっとも自分らしい生き方。
そう考えると、映像が美しいだけに、よけいゾッとします。

なんだか雪の分量の違いが二つの映画の深刻さの違いを際立たせているような気さえしました。

国そのものが「辺境の地」といった雰囲気の奥深い雪国スウェーデン…。ぼくのエリの少年の持つ残虐性はほとんど本能的なもので、いじめによってそれが開花したという感じ。エリが「わたしのことを理解して!」というのは「あなたの本当の姿に目覚めて!」と言ってるようだ。この残虐性は、ほとんど解決不可能だ。

一方、モールスはそんなに雪の量が多くない。「まだ間に合う!話せば分かる!」ってかんじw
実際、彼の残虐性は、周りの人たちの対応によって、十分に解決可能なレベルだ。

「ぼくのエリ」と「モールス」…話の筋は全く一緒なのに、全然違う映画をみたような印象を受けた。

でも、モールスもけっして薄っぺらな映画ではないと思う。
「アメリカ人によるアメリカ人のための映画」ってかんじ。
だからそういう意味でも、アメリカ的なクリーチャーのデザインやCGなどは大正解だと思いました。
ああいう直接的な表現が「自由の国(エゴの国)」アメリカを象徴してるようです。CGの技術などは「自由」がいい方向にいった例だと思う。その一方で自由の名の下にやたらと我を出した結果としての離婚率の高さだったり、いじめなどの闇が生じる。そういうアメリカの闇を描いた映画だと思います。


「ぼくのエリ」で一つだけ残念だったこと…。
女の子の演技がヘタ~!!
表情がぎこちなさ過ぎて、感情があるのかないのか、よく分からない。
「ヴァンパイアだから、人間の感情というものがうまく理解できないのだ。」
というものとは違う。単にできてない、って思う。
感情がないなら、少年が買ってくれたキャンディーをなんで、食べられないのに無理してたべたんだろう?
吐き出した後、なんで「ごめん」って言うんだろう?ただ台本にそう書いてあったからそう言いました、っていう硬い表情だ。
中にはいい表情もあったけど、ちょっとぎこちなさが目に付いてしまった…。

その点、モールスの少年と少女はあざといぐらい演技が上手だなあw

なんかめちゃくちゃ長くなっちゃいましたが…こんなことは1年に一度あるかないかぐらいだと思いますw
すごい映画でした!

エリ12エリ6エリエリ21エリ22エリ17エリ18その他、印象的だったり美しいと思ったりしたシーンの数々…。ほんと絵になる。













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Date: 2012.07.31 Category: レビュー  Comments (0) Trackbacks (0)

Sleep in the abyss

久々にイラスト描きました。

友人が曲を作ったので、そのためのイラストです。



abyssとは「深淵」というような意味。

sleepという単語もあるし、とりあえず寝てる絵でも描こうかな?という安易な気持ちではじめたんですが…

その夜、この曲の夢を見まして…

夢の中で、この曲に合わせてなにやら戦争のような映像が…ヒトラーとか、白黒の昔の戦争フィルムみたいなのとか、そして戦場で心を病み、変わり果てた姿で恋人のもとに帰ってくる兵士の姿がうかびました。

「こ、これは神の啓示ってやつか?!」

と衝撃を受けて、このアイデアをもとにイラストを描いてみようと思ったのでした。

戦場において、兵士は人間性よりも「生存する」ということに強制的にフォーカスさせられる。その世界では人間性というのは茶番のようにしか感じられないのかもしれない。
でも、生き残ればいつか日常の世界に帰ってくる。そのとき、戦場向けに作り変えられてしまった心はどうなるんだろう?
好奇心の赴くままに柔軟に生きていた心は、常に石橋をたたいて警戒しながら生きていかなくてはならなくなるのか。
「世の中とは危険に満ちたもの」という色眼鏡で日常を見ることになるのか…

でも人間である限り、その心の深淵には無垢なるものが眠りについている。

…ていう思いをこめて、「兵士の肖像」と「眠ってる少年」の絵を描こうと思った。



そう思ったんだけど…



お、重い…


鉛筆で病んだ兵士の顔を描いてたら、すっごい気持ちがブルーになってきた。
 
だいたい、オレ戦争経験者じゃないし…

いや、兵士というのは一種の象徴で、それは企業戦士だとか労働者とか、社会に対峙しなければならないものすべてを指してるんだけど…

実際に曲と合わしてみたら、あんまり合わなかったし…。

おかしいなあ…夢の中ではすっごい合ってたんだけどなあ…

ってことで…



女の子描きましたw



なんか、もう逃げですw
しかもこの前観た「モールス」にめちゃくちゃ影響を受けた。

でも、友人的にもこっちの方が正解だと思う。

うん、そう信じようw


sleep4.jpg



Date: 2012.07.27 Category: イラスト  Comments (4) Trackbacks (0)

ザ・ロードを観た


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またまた、レビューですが、今度は「ザ・ロード」という映画。

この映画もよかったです。これ以外に「ムカデ人間」という映画も観たんだけど、そっちは「ないわ~」って感じでしたw

この映画、文明が崩壊した後のアメリカで、父と子が海を目指してひたすら旅をするって話なんだけど、子供の役がこの前観た「モールス」の主役の少年だった。
で、この子の演技が素晴らしくて、モールス共々すっかりファンになっちゃいました。

ジャンルとしてはヒューマン・ドラマになるのかなあ、と思うけど、文明崩壊後のアメリカに秩序などあるはずもなく、食料も乏しいので、へたなホラーよりずっと怖いシーンも出てきます。


人間を人間たらしめてるもの。
文明崩壊後の心の荒廃した人々しか知らない少年に対して、父として人間のもつ良心の炎を絶やさず伝えていく姿が描かれてます。

なんか観てる男としてはかなり重いテーマかも(汗)


とにかく泣ける映画でした。

Date: 2012.07.24 Category: レビュー  Comments (2) Trackbacks (0)

「モールス」を観た


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以前、クローバー・フィールドをレビューしましたが、今回、その監督の「モールス」という映画を見ました。

なんか、女の子がかわいいもんで、思わず胸がキュンとなる映画ですが(この映画でキュンとなるのは問題かも??)、冷静に考えてみると恐ろしい映画で、かなりインパクトが強かったのでレビューせずにはいられなくなりました。
…レビューっていうか、単に語りたいw

クローバー・フィールドは、遊園地のジェットコースターみたいに後腐れがないんですが、この映画はかなり心に余韻を残す映画でした。

原題は「LET ME IN」です。
見た感想も「LET ME IN」でしたw
「モールス」??
後で調べたら、原作の小説のタイトルらしいけど、「LET ME IN」のほうが好き。


以下、ネタバレ!
















「雪」がすごくこの映画の雰囲気を象徴してるように感じた。

個人的に、雪ってなんかもの悲しい気分にさせる。「自分自身に悲しくなる」ってかんじ。哀れまれてるみたいな。

それはともかく、雪の積もったアパートの中庭に一人ぼっちでいる、主人公の少年の登場シーンはそのまま彼の心を表現してるようでした。
ヴァンパイアの彼女は、少年の分身のようなものかもしれない。
学校ではいじめられ、両親は離婚し、一緒に暮らしている母は神の愛は語っても、息子に対する愛は語らない。
心のそこから自分を受け入れてくれる場所はどこにもない、と悲しくも少年は信じてるよう。
それによって生じる、愛に対する渇望とそれと隣り合わせの凶暴性。
彼女はそんな心が象徴となって現れたみたいだ。

いじめられたことに対して彼女が「徹底的に仕返ししなきゃだめよ」
ってセリフを言ったときは「え?」て思ったけど、道徳とは無縁の映画だ。彼の心の叫びがオウム返しのように彼女の口を通して発せられたんだ。
12歳とはいえ、ずっと生き続けてきたわけだから、もうちょっと含蓄のあることの一つでも言うのかと思ったら、どうやら浮遊霊のように、彼女の心はずっと堂々巡りをしているだけなのかもしれない。

「とどまって死ぬか、去って生きながらえるか。」

こうして彼女は生きながらえてきた。

なんでとどまったら死んじゃうのか?
自分のことが知られたら、決して誰も自分のことを受け入れてはくれないから。
自分を受け入れてくれる場所はどこにもない。
その凝り固まった信念が、その選択肢を不動のものにしている。

でも本当は受け入れてほしい。

「LET ME IN(私を/僕を受け入れて!)」
と、二人がハモッてるような映画でした。

で、ラストは「呪われたエンディング」という感じです。
結局、「去って生きながらえる」ことを選んだのだ。それは破滅の道だ。最初に死ぬ男は、少年の未来の姿だ。
ずっと逃げ続け、自分の中にある孤独感をずーっと丹念に育て続けてきたんだ。
少年もまた「LET ME IN!」と心の中で叫びながら、自分の中の孤独感を「生きながらえ」させつづけるだろう…。


熱く語らせていただきましたw

Date: 2012.07.21 Category: レビュー  Comments (0) Trackbacks (0)

やなせさんかっこいい

今日たまたまTVをつけたら、アンパンマンの作者のやなせたかしさんのインタビューがやってた。

アンパンマンって自分が幼稚園児の頃から、いやもっと前から存在してるから、すごいロングランだ。
ドラえもん以上??

幼稚園の頃あんなに熱狂してたのに、そのうちどうでもよくなって、震災のころYou Tubeで「アンパンマンマーチ」を聴いて、その哲学的な歌詞に愕然とした。
へたなロックよりかっこいいよ。

なんでアンパンマンってあんなに小さい子に好かれるんだろう?
小さい子は丸っこいのが好きだからってのもあると思うけど、たぶんアンパンマンは「無償の愛」そのものだからだ。
しかもいくら与えてもこっちは痛くもかゆくもないほど無尽蔵のエネルギーを持ってるわけじゃなくて、「自分の顔」という、限られたものから分け与えるから、リアリティのある奉仕の姿になってるんだと思う。

まあ、「僕を食べなよ!」っていうの、大人向けにやると、そうとう重いと思うけど(-_-;)

「自己犠牲万歳!」ていうよりは、「自分の持ってる能力を相手に与えることの喜び」っていうニュアンスなんじゃないかなあ。

小さい子はそういう下心のないピュアな愛を鋭く嗅ぎ分けられるのかも。


インタビューの中で、「どうすれば(震災被害からの)復興を成功させられるのか?」というような質問で、

「全体をながめると瓦礫の多さに絶望してやる気をなくすけど、先を見ずに身の回りの小さなことから、とりあえずこつこつはじめていけば、いずれはすべてすべて片付く。自分も大きな仕事を抱えたときは、あえて急がない。一日一ページというように、少しずつ確実にこなしていく。そうすると途中で急にペースが上がっていき、いずれすべてが片付く。」

と言っていた。途中でペースが上がるというのは、やってるうちにだんだんエンジンがかかってくるってことだと思う。
言葉自体は、さほどめずらしいものでもないかもしれない。

でもアンパンマンがヒットした頃やなせさんはすでに50代後半だったという。それまでずっと創作活動しながらもがいた結果生まれたのがアンパンマンなのだ。それを考えると、重みのある言葉だなあと思った。

身の回りのことからこつこつやっていけば、いずれすべては片付く、というのはたしかにその通りだ。
でもなかなかそれを実行するのは難しい。そうそうモチベーションがつづくもんじゃない。

「それをつづけるためにどうしたらいいか?」

という質問に、やなせさんは「希望と忍耐」と答えた。

すごくシンプルであたりまえの言葉だけど、やっぱりアンパンマンのできた経緯を考えると、これまた重みのある言葉だなあと思った。

細々とマンガやイラストを描いてる人間として、すごく励まされました。

Date: 2012.07.16 Category: 日記  Comments (0) Trackbacks (0)
プロフィール

マルムギ コウジ

Author:マルムギ コウジ
岐阜県在住。
趣味で絵を描いてます。
仕事も受け付けてます。(絵柄はピクシブをご参照ください)
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OS:windows10 64bit
Soft:photoshopCS5
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