最近、デビッド・リンチの映画にすっかりはまってしまった…。
なかでも衝撃的だったのがこの「マルホランド・ドライブ」。
今まで見たデビッド・リンチの映画でまともに「わかったかな?」と思えるのは、「ストレート・ストーリー」と「ワイルド・アット・ハート」ぐらいで、ほかは「なんのことやらさっぱり…」という感じ。
にもかかわらず、ずっと手元に置いておきたい気分にさせる。ほんと不思議な魅力を持ってる。
で…この「マルホランド・ドライブ」も最初見たときやっぱりわかんなかった…。
ただなんとなく「ハリウッドのかなしい虚栄」という印象を受けて「悲しげな映画だな」と思ったくらいだ。でも意味わかんないけど気になるシーンがいっぱいありすぎて、ついネットで個人で解釈してるサイトとかを見てしまいました…(汗)
邪道です……はい。正直パズル解きは苦手だよ~。
で…いろいろサイトをみると「前半を夢、後半を現実」と解釈してて、正解かどうかは分からないけど個人的にすごく納得した。と、同時に「なんて悲しい映画なんだ!!」と衝撃を受けた。
それを踏まえてまた見てみると、ものすごく映画世界の濃さが強まって感じられて、最後のほうの「泣き女」の歌のシーンでは思わず泣いてしまった。
監督は「理屈ぬきで感じて欲しい」と言ってたけど、まさに感じる映画だ。まるでヒロインの無意識が作り出したドキュメンタリーをすぐ近くで見てるような気分で、ヒロインの悲しみがものすごくダイレクトに伝わってくる。
この映画をもし、「言葉で説明できる分かりやすいストーリー」として整理された映像で作ったなら、観客と映画の距離はグンと広がって、「安心感」とともに「他人事」のお話になってしまい、これほどの体感は得られなくなるんじゃないかと思う。
あらためてデビッド・リンチの手法ってすごい!と思いました。