サポートされている電子書籍のファイル形式当初はPDFでの投稿を検討してましたが、サンプルを作って試しに投稿してプレビューしたところレイアウトが崩れまくって悲惨なことになりました。なんか日本語は対応してないとか書いてるし…。
しかし、このあたりの文言はいまいち当てにならなくて、KPFファイルも日本語サポートされません、て書いてあるけど、普通にできます。(KPFファイルをつくるためのKindleTextbookCreatorというソフトは英語なんだけど。)
あと、mobiファイルに関しても「固定レイアウトのmobiファイルは受け付けられません。」て書いてあるけど、当のAmazonが提供してるKindleComicbookCreator(KC2)って固定レイアウトのmobiファイルを作るソフトなんでは?
どういうことなんだろう?
で、最終的にはKC2を使ったmobiファイルを投稿したわけですが、普通にできました。
結局どのファイル形式で投稿するにしても、リフロー型固定レイアウト型に関わらず、最終的にAmazon側でmobiもしくはKPFに変換しているようです。
<Kindleでの固定レイアウト本>
現状、Kindleで販売されてる固定レイアウトの本の多くはすべてのページを画像として処理しているようです。
つまり、テキスト部分もラスター画像なので、リフロー型の本のように検索や辞書やリンクの機能が使えません。
ただ、「KPF」という形式のファイルであれば、従来のPDFのようにInDesignで設定したリンク機能も使えますし、テキストもベクターなのできれいに表示されます。
しかし問題はこのKPFファイルをどうやって作るのかということで、自分が調べた限りではAmazonが提供している「KindleTextbookCreator」というソフトを使うことしかわかりませんでした。
でもこのソフト、ベータ版で惜しいのは端末を横にしたときに見開き2ページで表示できないということでした。
たぶんほとんどの人は単ページ表示で端末を縦にして見るだろうから、あんまりこだわることもないのかもしれませんが、いちおう見開きにも対応するようにレイアウトしたので、しぶしぶKPFはあきらめることに…。
<KindleComicbookCreator(KC2)>
で、見開き表示を実装するために使用したのが、これまたAmazonが提供している「KindleComicbookCreator(KC2)」でした。
その名の通りコミック本を作成することを意図して作られたソフトで、端末を横にしたとき見開き2ページを隙間なく合体させて表示したり、普通に分割して表示したりといった設定が可能です。
今回作った本は、単ページでも楽しめるけど、見開きでも楽しめるようにたまに見開きで一枚の絵になってたりするので、この機能はまさにうってつけだと思ったわけです。
使い方は簡単で

新しい本を作成を選択し

各種項目を入力
パネルビューはよくわからないけど、画像の任意の部分を拡大表示できたりするみたい。
とりあえず、必要ないので「いいえ」を選択。
本の組方向は、縦または横で画像の向きを固定するか、固定しないかということですが、横表示で見開きに切り替わるようにしたいので固定しない(アンロック)を選択。
本のページの進行方向は、横書きなので今回は「左から右へ」。
次の「本のページサイズ」というのがくせ者で、縦横1280pxまでしか設定できないんですが、縦横比を合わせればそれ以上の大きさの画像も正常に使用できます。
今回自分は「w2400,h3200(3:4)」の画像を使用したので、ここでも同じ(3:4)になるように「w960,h1280」にしました。
つまり長辺を1280にしてそこを基準に短辺を入力します。

次にメタデータを設定します。
タイトル、著者、出版社(任意)を入力して…。
表紙に使う画像は、ここで登録します。なので表紙だけ別に用意しておく必要があります。
なので、この後本編画像を登録するときは表紙は省いてください。
保存フォルダを指定します。空のフォルダを用意しておく必要があります。
詳細設定についてはよくわかりません。
とりあえず目次に関しては、HTML目次と論理目次というのがあるんですが…詳しく説明する自信がないので割愛。
今回は論理目次を使ったので、ここは空欄で。
あとはパネル関係っぽいから「パネルビューを使用しない」を選んだ時点で関係ないと思われる。
で、「ページの追加を開始」ボタンを押すと、エクスプローラーが開くので登録したいファイルを選択します。
ファイル形式は「png,jpg,tiff,pdf,ppm」に対応しているようです。
今回はjpg画像を使ったので、登録したい画像をすべて選択して「開く」を押します。複数画像を登録するときはファイル名が連番になってないといけません。
ちなみにpdfも登録できるんですが、僕はうまく読み込むことができませんでした。

左上にある項目でページを新たに追加したり削除したりすることができます。
「本の設定」で最初に記入した内容を変更することができます。
「ページ設定」で見開きの設定ができます。今回は端末を横にしたとき必ず見開きで表示されるようにしたかったので、「すべてを見開きページに設定」を選びました。
そしてこうなりました。右側にプレビューが表示されます。

プレビューで問題なければ、メニュー→ビルド→ビルド&プレビューを選択すると、設定してあった空フォルダに必要ファイルが生成されていきます。その中に「○○.mobi 」ていうファイルがあるので、それをAmazonに投稿するわけです。
<論理目次>
論理目次というのはKindleアプリで書籍を閲覧してるときにメニューから参照できる目次の機能です。
生成されたmobiファイルをKindleアプリで確認すると分かりますが、デフォルトでは目次が「Page-0、Page-1、Page-2…」というふうにすべてのページが目次として設定してあります。
これを設定し直すためには、mobiファイルなどと一緒にフォルダの中に作られた「toc.ncx」というファイルをいじる必要があります。
テキストエディターなどで開くと、中身はhtmlのようなタグが並んでます。

この中の<navMap></navMap>で囲まれたエリアが目次全体を指し、その中の<navPoint></navPoint>で囲まれたエリアが各ページの情報に当たります。

目次として設定したいページの<text></text>の部分に任意の項目名を入力します。
設定する必要のない<navPoint>のエリアはすべて削除します。
そしてtoc.ncxを保存します。
このあと、同じフォルダ内にある「content.opf」をKindlePreviewerにドラッグアンドドロップすると、新たに作った目次を反映させたmobiファイルを再度生成します。
これでできあがり。

androidで確認したところ
こんな感じで作ったわけですが、僕は普段電子書籍はipadで見てるので、iOSでの表示も気になりました。
ややこしいんですが、iOSはmobiではなくazkというファイル形式です。
KindlePreviewerにmobiファイルを読み込ませた後、メニュ→デバイス→Kindle for iOSを選ぶとmobiファイルをazkに変換してくれます。

で、生成されたazkをipadのkindleアプリで見るには、ipadをPCにつないでitunesを起動しファイル共有でkindle for iOSを選んでazkファイルを追加します。

これで、ipadで見れるわけなんですが…なぜか目次が表示されない!!
しかもごく一部の文字がほんの数ドット欠けているという謎の現象が…。
ネットで調べてもまったく情報がなく、お手上げ状態であまり時間もかけてられなかったので、
また、投稿するmobiファイル自体にはまったく問題なかったので、「きっとAmazon側で変換すればいい感じになるかも?」
という淡い期待を胸に、そのままで投稿していただきました。
結果的には実際に出版されたものをipadで確認したところちゃんと目次も表示され文字の欠けもなく、ホッとしました。
いやあ、今回の電子書籍制作、いろんなところに落とし穴がありましたね~。